MAKIEDAN MEMO BLOG

調べたり感じたりしたことをメモするブログです

アバドの訃報に寄せて

去る2014年1月20日、クラウディオ・アバドがなくなったしまった。私が好きな指揮者の一人でファンだったので、とても残念で寂しく悲しい気持ちになった。2000年に胃癌を患ってしまった後復帰したものの、あまりの痩せぶりでまるで別人のように見えた。でも彼のタクトや音楽性は少しも変わっていなくて、健在ぶりをアピールしていてホッとしたものだった。昨年の日本ツアーがキャンセルになった時、これはもしや…と思ったことが現実となってしまった。

私がアバドを意識した最初が、ベートーヴェン第9番第4楽章のラスト、ピッコロの最終音がオクターブ高いということがセンセーショナルに取り上げられた時のことだった。

アバドの沈黙の意味は? アバドの第九についての質問があり、回答の中に「BPO盤の... - Yahoo!知恵袋

その時の印象は、変わったことする人もいるもんだ、ぐらいの感じだった。実際聴いてみると意外とそんなに違和感がなく、華やかになるのでこれはこれで悪くないな、と思ったものだ。

diskunion: ABBADO ,CLAUDIO / アバド (クラウディオ) / ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」@アバド/BPO イーグレン(S)マイヤー(A)ヘプナー(T)ターフェル(Br)

高校生になって吹奏楽部に入ってから本格的にクラシックを聴くようになって、アバドの演奏も(CDを通してだが)よく聴いていたが、その中でも特に印象的だったのがチャイ5新世界よりだった。キビキビとして機動的で筋肉質な演奏だと思った。

チャイコフスキー : 交響曲第5番ホ短調 / ムソルグスキー / 死の歌と踊り

チャイコフスキー : 交響曲第5番ホ短調 / ムソルグスキー / 死の歌と踊り

 
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

 

アルゲリッチとのチャイコフスキーのピアノコンチェルトは、これを聴いたら他の演奏は聴けない、という程すごい演奏だった。

 

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

 

社会人になってからマーラーにハマりだしたこともあって、ここ数年で特に好きな演奏はこの2つである。


Mahler symphony No.2 -5M (6/6) C.Abbado ...

マーラー:交響曲第9番

マーラー:交響曲第9番

 

マラ9の4楽章はいろいろ聴いてきたが、アバド/BPO盤が一番好きである。言葉にしづらいが、感情に流されることなく抑制された表現の美しさがあるように思う。復活は非常に感動的で、ラストのほうで見せる、アバドの歓喜と涙を奥底に秘めた表情が、感動に拍車をかけるよい演奏であった。

グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラやスカラ・フィルハーモニー管弦楽団など若手音楽家の活動の場を広げたり育成をするなど、クラシック界に多大な貢献をしてきたアバドの死は大きい。

Claudio Abbado - a life in pictures | Music | theguardian.com

Abbado, per sempre - Teatro alla Scala

若い頃はめっちゃ男前。